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プロ歌手必須の「エッジボイス」を習得するには?出し方や応用方法まとめ

プロ歌手を目指しているとよく耳にするであろう「エッジボイス」とは、どういったものなのでしょうか?

発声法のひとつであるエッジボイスは、習得することで声質により深みを出すことができますし、習得するためのトレーニングの過程は、歌い手の喉を鍛えるためにとても重要です。

この記事では、エッジボイスがどういう声なのか。

そして会得することにはどういったメリットがあるのか。

エッジボイスの正しい発声方法とあわせて紹介します。

「エッジボイス」とは?

「エッジボイス」は、別名で「ボーカルフライ」とも呼ばれる声のことで、声帯を閉じて発声した時に出る、ガラガラとしたような音をいいます。

プロの歌手らしい、音程が安定した声を出すためには声帯を均一に振動させることが重要で、そのためには声帯を適度に閉じて発声する必要があります。

エッジボイスは、声帯を適切に閉じているからこそ出せる声です。

エッジボイスを歌唱テクニックのひとつとして曲中で使うこともありますが、安定した声を出せるようになるためのトレーニングの一環として、エッジボイスを習得する必要があるのです。

エッジボイスを習得するには「声帯閉鎖」の感覚をつかもう

「声帯」とは、喉の奥の左右についている2枚のひだのことです。

声帯の間を空気が通り抜ける時に2枚のひだが振動して、「声」になります。

声帯は呼吸時には開き、発声時には閉じています。

声帯を閉じるための筋肉を「閉鎖筋」といい、ここを鍛えることで声帯の状態を自在に変化させたり、閉めた状態をしっかりとキープしたりすることができるようになります。

声帯の閉じ具合には違いがある

声帯の閉じ具合には5段階あり、それぞれに出る声質が変わります。

(1)声帯がぎっちりと閉まっている
全く息が通らない状態。

(2)声帯がしっかりと閉じている
詰まったような声しか出ない状態。声帯の閉じている部分に力が入っている。

(3)声帯が閉まっている
話し声を出すときの状態。声帯の閉じている部分に力が入りすぎておらず、「声帯閉鎖」と呼ばれている。

(4)声帯に隙間がある
「息漏れ」といわれる、芯のない弱々しい声が出てしまう状態。

(5)声帯が開いている
声は出ず、息が漏れている状態。

歌うときに(2)の状態では、声を出すためにはかなりの力を使わないといけませんし、(4)の状態では、声量を出すにはかなりの量の息を消費しなければならなくなってしまいます。

ベストなのは(3)の声帯が閉じている、「声帯閉鎖」の状態です。

声質が良くなることに加えて、声を出すためのエネルギー消費が抑えられるので、長時間歌えるようになるでしょう。

声帯閉鎖をマスターするための良いトレーニング法のひとつが、「エッジボイス」なのです。

声帯を閉じて発せられる「ガラガラ」した音がエッジボイス

「エッジボイス」を出すためのトレーニングは、多くの歌手養成所で行われています。

声帯を閉じて「声帯閉鎖」の状態にし、声を出したときに「ガラガラ」とした音が出てくれば、それがエッジボイスです。

エッジボイスはよく、「ホラー映画の『呪怨』の登場人物が出している『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛』という声」と説明されています。

イメージが湧かない方は、こちらを参考にしてみましょう。

エッジボイスを習得するメリットとは

エッジボイスを習得すると、

「一定の音程で歌える」

「倍音が響く声を出せる」

という、プロの歌い方に必要な、2つの要素を身につけることができます。

また、声帯閉鎖の感覚を身につけ、声帯の使い方をマスターすれば、さまざまな歌い方もできるようになるでしょう。

(1)音程や声量が安定する

声帯がほど良い力で閉じている「声帯閉鎖」の状態を維持することができるようになると、常に一定の音程で歌うことができるようになります。

発声している間に音程が上振れまたは下振れしてしまうのは、声帯閉鎖の状態になっておらず、声帯から息が漏れてしまっていることが原因だからです。

また、息漏れは、息を使っている割に声量が出ない原因にもなっています。

エッジボイスを習得すれば、これらの息漏れによる問題を解決させることができるでしょう。

(2)倍音が響く声を出せるようになる

「倍音が響く」とは、声を出しているときに複数の音が響いている状態をいいます。

音は、空気を構成する分子を次々と揺らしながら伝わっていく波です。

その波が人間の耳の中の鼓膜を振動させると、人に音として認識されます。

波の形は音の高低や質によって変わるので、倍音では複数の形の違う波が、次々と鼓膜を振動させる状態になります。

そのために複雑な音色に聞こえ、そして心地よく感じられる歌声となるのです。

エッジボイスを習得すると、普段から歌うときにも「エッジ感」のある歌声が出せるようになります。

声に複雑さが増すことで、歌声を「倍音が響く声」に近づけることができるでしょう。

(3)高音に張りが出るようになる

高音を発声するときに「張り」のある声を出せることも、プロの歌い方の重要なポイントのひとつです。

エッジボイスを出しているときの声帯の状態のままで高音を発すると、張りのある高音を鳴らすことができるようになります。

また、地声から裏声に切り替えるときの「換声点」での声のがらつきや息漏れ、裏返りなども、エッジボイスの習得で改善させることが可能です。

これらの「換声点ブレイク」が起きてしまう原因は、声帯を上手く閉じられていないことにあります。

エッジボイスを習得し、声帯閉鎖の感覚をつかむことで、換声点ブレイクを上手く乗り越えられるようになるのです。

(4)声の調子を図ることができる

声帯閉鎖の状態のときにだけ出すことができるエッジボイスは、声帯が疲れていたり、風邪を引いていたりなど、喉の調子が悪いときには出すことができない声です。

喉が不調のまま無理をして歌の練習を続けてしまうと、効率が上がらないだけでなく、歌い方に悪い癖がついてしまう恐れもあります。

エッジボイスが上手く出せない日は、ボイストレーニングの休息日にすることも重要です。

エッジボイスはどうやって発声する?

簡単にエッジボイスを出してみる方法があります。

まずは力を抜いて、出しやすい声の高さで「アー」と発声してみます。

発声したままで、その声を自分が出せる一番低い音まで下げましょう。

一番低い音まで下げると最後は声にならなくなり、「ガラガラ」とした音しか発せられないはずです。それが、自分の「エッジボイス」となります。

上手くいかないときは、喉に力が入りすぎていないかを確認したり、息の量を調節したりしてみましょう。

エッジボイスを出すためにはリラックスするのが肝心

感覚を掴んだら、本格的にエッジボイスのトレーニングに入りましょう。

エッジボイスを出すための声帯閉鎖の状態にするには、力が抜けていることが肝心です。

大きく息を吐いたり深呼吸をしたりして、リラックスすることを心がけてください。

そしてゆっくりと息を吐き、吐いている途中で強く止めてみましょう。

息を強く止めているときは、声帯は強く閉じている状態です。

まずは声帯がしっかりと閉じているときの、閉鎖筋が強く働いている様子を感じてみることが大切なのです。

エッジボイスを練習するには

そして声帯が強く閉じている状態のまま、先ほど出してみたエッジボイスを、つなげずに一語ずつ区切って発声してみます。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」と続けて出すのではなくて、「ア゛、ア゛、ア゛、ア゛、ア゛」と一語ずつ、しっかりと強く出すように心がけましょう。

このとき、あくまでも力が入っているのは声帯のみで、全身ではないことに注意してください。

エッジボイスで鳴らしているのは、喉仏に近いごく一部分だけです。

また、エッジボイスの練習の際に「ア゛ー」と伸ばして発声してしまうと、声帯閉鎖の感覚が掴みづらくなってしまうので、その点にも気をつけてください。

エッジボイスを出せないときの改善策2つ

エッジボイスが上手くできないと悩んでいる方は、2つの点をチェックして改善してみましょう。

(1)声帯の隙間をなくそう

声帯に隙間がある状態では息が漏れてしまい、エッジボイスにならずにスカスカな音しか出せません。改善するには、声帯が閉じた感覚を掴むためのトレーニングをしてみましょう。

かじかんだ手に息を吹きかけるように、「はー」と息を吐き出します。

息を吐きながら、声帯が開いていることを実感してください。

次に、先ほどの「はー」をしたまま、「アー」という発声に切り替えてみましょう。

切り替えが上手くいかない方は、「はーーーア!」と切り替えた後に息を止めてしまっても大丈夫です。

この息を止めた瞬間に、声帯が閉じているのです。

この練習を繰り返せば、声帯が閉じている感覚を掴むことができるでしょう。

(2)息の量を増やそう

声帯を通す息の量が少なすぎても、エッジボイスを出すことができません。

まずは全力で「はー!」と息を吐いてみます。

それができたら、今度は「はーーーア、ア、ア」と、息を吐いている途中で声に切り替えてみましょう。

この時に注意しなければならないことは、声に変化させた時に声量が落ちないようにすることです。

吐いていた息の量はそのままに、お腹から声を出すようにして「ア、ア、ア」と発声しましょう。

(1)と(2)が個別に改善できたら、声帯を閉じた状態を維持しつつ、たっぷりと息を吐き出しながらエッジボイスを発声してみましょう。

感覚が掴めるようになるまで、トレーニングを積み重ねることが大切です。

エッジボイスができるようになったら

エッジボイスが出せるようになってきたら、さまざまな応用練習にチャレンジしてみましょう。

エッジボイスは、それだけで歌うというよりも、声質に深みを出したり、より高度な歌い方のための土台となる発声法だからです。

例えば、エッジボイスから地声に移行する練習を行うと、普段の声に「張り」をプラスすることができるようになります。

「ア゛、ア゛、ア゛、ア゛、ア゛」というエッジボイスから、地声の「アー」に戻る練習を繰り返し行います。地声に戻るときは力を入れず、エッジボイスと同等の力の入れ具合や、声量を保つようにしましょう。

合わせて、地声に戻ったときにはエッジボイスとは違い、ざらつきのないきれいな声を出すことを心がけてください。

裏声にもエッジボイスを「添える」練習

張りと声量のある裏声を出せるようにするためにも、エッジボイスのトレーニングは効果的です。

裏声にエッジボイスをミックスするのですが、入れ込むというよりは、「添える」というイメージの方が上手くいくかもしれません。

「ア゛、ア゛、ア゛、ア゛、ア゛」というエッジボイスを出している状態から、ブツブツした音の状態を保ったまま、音程を徐々に上げていきます。

高音になるにつれ、ハミングするときのように鼻が震えている状態である「鼻腔共鳴」を意識するのが大切です。

裏声に力が入りすぎてしまったり、声が割れてしまわないように心がけましょう。

このような状況のまま裏声のエッジボイスの練習を続けると、単に奇声を発しているだけになってしまい、キンキンとした細い声になってしまうことも多くあります。

音色に膨らみを持たせつつ、楽にクリアな高音を出すことを目指して練習しましょう。

エッジボイスから「ミックスボイス」に発展させてみよう

エッジボイスを習得することは、プロ歌手の多くが使いこなしている「ミックスボイス」の習得にもつながります。

「ミックスボイス」は「ミドルボイス」とも呼ばれる、地声と裏声をミックスしたような発声法のことです。

ミックスボイスを実現するためには、地声と裏声の切り替えポイントである「換声点」をスムーズにクリアする必要があるので、声帯閉鎖の状態を維持することが重要です。

つまりは、エッジボイスの習熟により声帯閉鎖の感覚を身につけることによって、ミックスボイスをも会得することができるようになるのです。

ミックスボイスができるようになれば、喉を傷めずに音域の広い曲を歌いこなせるようになりますし、地声と裏声の切り替えがスムーズなので、聴いている側が無理を感じることもないでしょう。

さまざまな音域のエッジボイスが無理なく発声できるようになったら、次はミックスボイスにもチャレンジしてみてください。

エッジボイスをマスターしてプロ歌手に一歩近づこう!

エッジボイスとは、もともと個人に備わった声質のことではなく、より良い声質で歌えるようになるためのトレーニング方法のひとつです。

地道な練習の積み重ねで声帯の感覚と閉鎖筋を鍛え、自然に発声できるようになることが何よりも大切です。

エッジボイスをマスターできれば、一気にプロらしい歌い方に近づくといっても過言ではありません。

この記事を参考にして、あなたらしい素敵な歌声を手に入れてください。

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