高音域の歌声をはっきりと表現するためには、声そのものを太くする練習が必要です。ファルセットやミックスボイスなどさまざまなテクニックがありますが、「具体的な練習方法が分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、高音を太くするための発声法や練習方法について詳しく解説します。呼吸の仕方や喉の使い方など複数の観点からアプローチすると、効率的に正しい発声法を習得できるでしょう。
高音を太く強く歌いたい!

歌唱力アップに向けて日々練習を積んでいても、高音の習得に苦戦している方は性別を問わず多く見られます。高音になると声量がなくなったり、か細い声になってしまったりする問題を解決するためには、より効果を見込める練習に切り替えるとよいでしょう。
具体的には、正しい喉の使い方で頭や胸に響かせる練習です。単に高い声を張り上げていても上達は望めません。高音を太く、強く出すには相応の練習方法があることを知っておきましょう。
高音を出すための3つの発声法

高音へのアプローチに役立つ発声法は、「ファルセット」「ヘッドボイス」「ミックスボイス」の3種類です。それぞれを意識して使えるようになることで、高音を楽に出せるようになるでしょう。
難易度が異なるため、やりやすいと感じる発声法から取り組んで構いません。3つの発声法をひとつひとつ解説します。
ファルセット
普段話している音域よりも高く、細い声で発するのがファルセットです。3種類ある高音域の発声法の中でも、特に繊細な表現に向いたテクニックとされています。発声と同時に漏れる息の量が多く、歌声自体が細くなるためです。テンポの早い曲や元気な歌詞よりも、静かで感情的な曲に向いているでしょう。
声帯を離した状態のまま発声するため、他の発声法に比べて習得しやすい特徴があります。地声では出せない音域を出すときは、ファルセットを使えるとうまく歌いきれるかもしれません。
ヘッドボイス
ファルセットよりも息の漏れる量が少なく、やや地声に近い発声法がヘッドボイス(頭声)です。呼び名の通り、頭に響くような感覚に特徴があります。高音域でも声の太さを維持でき、オペラでも多用されるテクニックです。
声帯を締めて息漏れの量をコントロールしなくてはいけないため、ファルセットに比べると難易度が上がります。地声を太くする際に胸に響く感覚(チェストボイス)ではなく、頭頂部から抜けるようなイメージをつかむことが大切です。
ミックスボイス
高音域を地声と同等の太さで出したいときは、ミックスボイス(ミドルボイス)を活用します。地声と裏声の特徴を兼ね備えた発声法であり、難易度が高いテクニックです。
ヘッドボイスと同じく声帯を締めた状態で行いますが、ヘッドボイスより低めの高音が出ます。地声の声量や太さを維持したまま高音域に移行できるため、声の変化がなめらかになる点も特徴です。曲のジャンルや性別を問わず、歌唱力アップに重要な発声法だといえます。
高音を太くしたいならミックスボイスを習得しよう!
ミックスボイスはプロの歌手も身に付けているテクニックであり、さまざまな曲の中で使われています。ダイナミックに表現したいときは、地声の印象に近い発声法が適しているためです。今後ボイトレで歌唱力を上げたい方も、ミックスボイスを使えると表現力が増すでしょう。
やみくもに高音域を発声するだけでは上達しづらく、喉を痛めるきっかけになり得ます。呼吸方法を見直したり、喉の動きを確認したりと基本に返ることも大切です。
高音が太くなるミックスボイスの練習方法

太い声のまま高音域で歌いたい方は、ミックスボイスの練習を取り入れてみましょう。腹式呼吸を意識したり、ハミングで共鳴の感覚を覚えたりと、アプローチする方法は複数あります。限定的な練習では習得しづらいため、数パターンのメニューを組み合わせるのがおすすめです。上達に役立つ4つの練習方法を紹介します。
腹式呼吸をする
ミックスボイスだけでなく、歌を練習する上で重視したいのが「腹式呼吸」と呼ばれる呼吸方法です。胸周辺を動かして呼吸する「胸式呼吸」とは異なり、横隔膜の動きで空気を出入りさせます。以下の流れを参考に、腹式呼吸の感覚をつかみましょう。
・座位または立位の状態でリラックスする
・腹部に手を当てる
・腹部を膨らませるイメージで息を吸う
・腹部をへこませながらゆっくり息を吐く
胸式呼吸とは明らかに異なりますが、感覚が分かりづらいときは、あおむけの状態で行っても構いません。
ハミングをする
ミックスボイスを習得する上で重要な感覚のひとつが「鼻腔(びくう)共鳴」です。鼻から喉の間にある空洞に息を送ることで反響し、高く太い歌声を表現できるようになります。練習にはハミング(鼻歌)が適しているため、次のメニューに取り入れてみましょう。
・鼻の頭に手を軽く添える
・口を閉じたまま「んー」と発声する
・鼻が震える(鼻腔共鳴)感覚を覚える
・「な」「あ」など、言葉や音程全てで震えるよう繰り返す
「ん」は比較的響きやすく、「あ」や「い」だと思うように共鳴しないかもしれません。「ん」とその他の音を繰り返し発声し、常に響かせられるよう練習しましょう。
喉を開く
喉を閉じた状態のまま高音を発声すると、周辺の筋肉や声帯に負担がかかります。痛みにまで発展すると治るまでの間の実践練習ができないため、喉は開くことが大切です。以下の流れで喉が開く感覚をつかんでおきましょう。
・鏡を顔の前に置く
・あくびをイメージしながら口を大きく開く
・喉の奥を確認する
・喉が広がっている(開いている)感覚を覚える
慣れないうちは音程や単語につられて閉じやすくなるため、鏡で確認しながら歌うとよいでしょう。
声帯を締める
ファルセットのような細い声にならないためには、声帯をしっかり締める必要があります。目視で確認できる場所ではないため、以下の練習を繰り返して感覚を身に付けるとよいでしょう。
・喉または口から細く息を吐く(声は出さない)
・途中で息を止める
・このとき、喉が動く(声帯が締まる)感覚を覚える
・声帯を締めた状態のまま発声する
ただし、声帯のみを意識すると喉にダメージを与える恐れもあります。喉の動きにも配慮しながら、無理のない範囲で練習しましょう。
【男女別】ミックスボイス習得におすすめの練習曲

具体的な感覚をつかんでミックスボイスをマスターするには、既存の曲を使って練習するのがおすすめです。高音域を出せる範囲は人によって異なるため、判断が難しい場合は歌手の真似をしてもよいでしょう。歌い方のコツが分かると、自分が発声しやすい範囲や呼吸方法も分かりやすくなります。
男性におすすめの練習曲3選
男性は女性に比べて地声で出せる高音域が狭い傾向にあるため、発声できる範囲を把握しながら練習するとよいでしょう。テンポが早く歌詞を追いにくいと感じたら、スローテンポの曲を選ぶのもおすすめです。
Aメロやサビの音程差が大きい曲は、なめらかな移行を練習するのにも役立ちます。歌手によっては個性が強い歌い方をしますが、オリジナルに引っ張られ過ぎず、ミックスボイスのトレーニングに集中しましょう。
歌手名 |
曲名 |
練習しやすいパート |
秦基博 |
ひまわりの約束 |
Bメロ後半からサビ |
B’z |
ultra soul |
曲全体 |
スピッツ |
楓 |
サビ |
女性におすすめの練習曲3選
高音域を多用する曲は多く見られますが、ミックスボイスのトレーニングに向いている曲を探してまとめました。例えば「Jupiter(平原綾香)」のように同じメロディが繰り返される曲は、声の安定性や低音との違いを確認するのにも役立ちます。
歌手名 |
曲名 |
練習しやすいパート |
平原綾香 |
Jupiter |
曲の後半 |
Superfly |
beautiful |
曲全体 |
絢香 |
みんな空の下 |
サビ |
太く響く高音を出すためにはリラックスが必要
存在感のある高音域を身に付けるには、リラックスした状態を維持することが重要です。体の力を完全に抜くのではなく、喉や腹部を適度に脱力するよう心掛けましょう。余分な力を込めた状態で歌うと、喉を痛める可能性があります。
「気付かない間に痛めていた」では遅く、治るまで実践練習ができません。ミックスボイスは呼吸方法や喉の使い方など、意識を集中させる作業もありますが、前提にあるのはリラックスした状態です。
ボイトレして「新人ボーカル発掘オーディション」にチャレンジ!

今後、本格的な活動を目指している方は、オーディションへの参加を視野に入れておくとよいでしょう。応募方法が簡単でチャレンジしやすいのは、MUSIC PLANETが開催している「新人ボーカル発掘オーディション」です。合格者には歌手活動をサポートする特典も用意しています。具体的な内容は次の通りです。
新人ボーカル発掘オーディションとは?
「新人ボーカル発掘オーディション」は、MUSIC PLANETが全国の20歳~49歳を対象に開催しているオーディションです。性別や職業を問わず、歌手活動を希望する未来のスター候補を募っています。書類選考もないため、歌唱力だけで勝負したい方にはうってつけの機会だといえるでしょう。
審査は対面で受けることも、遠隔で受けることも可能です。審査会場までのアクセスが難しい方や、忙しくて時間が取れない方も気軽に挑戦できます。
新人ボーカル発掘オーディションの魅力
MUSIC PLANETのオーディションに合格すれば、充実したバックアップ体制の下で活動をスタートできます。
・プロデューサーと個人面談
・オリジナル楽曲制作
・オリジナル楽曲をカラオケや音楽配信サイトで配信
・オリジナルWebサイト公開
・専属マネージャーによるスケジュール管理
・プロトレーナーとのボイトレ
・プロカメラマンによるアーティスト写真撮影
・LIVE出演支援
・専属ライブハウスの永年無料使用権
応募のハードルが低いだけでなく、歌手としての活動を徹底的にサポートする取り組みを行っているのが強みです。
まとめ

高音域を思うように発声するためには、それに適した発声法を身に付ける必要があります。太く高い歌声なら「ミックスボイス」を習得しましょう。呼吸方法や喉の開き方の感覚を確認しながら練習を積めば、多くの歌を歌いこなせる歌唱力と表現力が身に付きます。
トレーニングの成果を発揮するなら、オーディションを受けてみてはいかがでしょうか。本格的な活動を視野に入れている方には、MUSIC PLANET主催の「新人ボーカル発掘オーディション」にぜひチャレンジしてみてください。手軽に応募できる上、合格後は歌手活動を支える手厚いバックアップ体制があります。