ボイストレーニング
公開日:2024年08月12日
巻き舌のやり方は?仕組みと簡単にできる4つの練習方法を詳しく解説
「歌の表現力を高めるために巻き舌ができるようになりたい」
「巻き舌が上手くできるようになる練習方法はあるのかな?」
「巻き舌ができない原因は何だろう?」
歌が上手くなりたい方のなかには、巻き舌ができず、やり方を習得したいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。ときには「巻き舌ができないのは、舌が短いせいなのかもしれない……」と悩み、自分には巻き舌ができないと思い込んでしまうこともあるでしょう。
巻き舌は、舌を振動させる、ラ行の発音を繰り返すといった練習方法によって習得が可能です。上手くできないのは、舌の筋肉が弱かったり、力みすぎたりしていることが原因と考えられます。
この記事では、巻き舌のやり方や仕組み、簡単にできる4つの練習方法をご紹介します。あわせて、巻き舌ができる人とできない人の差や、巻き舌ができない人の特徴と対処法もお伝えしているので、気になる方はぜひ最後までチェックしてみてください。
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巻き舌の仕組みとは
巻き舌を習得して歌に活かすために、まずは巻き舌の仕組みを知っておくとよいでしょう。
巻き舌とは、舌を振動させて出す音のことです。巻き舌をするときは、舌を上顎のあたりにつけて発声します。すると、空気が通って舌が振動したり、その振動で上顎をはじいたりして音が出ます。
外国語には巻き舌を使った発音も多いですが、日本語には基本的に巻き舌はありません。そのため、日本人のなかには巻き舌が苦手という方も多いとされています。
巻き舌のやり方は?超簡単な練習方法4選
巻き舌は難しいイメージがあるかもしれませんが、実は習得するのはそれほど難しくありません。以下の4つの練習方法を繰り返せば、巻き舌を身につけられるようになるでしょう。
- 舌を振動させる
- ラ行の発音を繰り返す
- 同じ単語を繰り返す
- 「ラタトゥラ発声法」をする
超簡単ですぐに実践できるものばかりなので、ぜひ挑戦してみてください。
1. 舌を振動させる
巻き舌の基本は舌を振動させること。口を少し開け、舌を上顎に軽く当てながら息を吹き出すことで、舌が振動して巻き舌の音が出るようになります。
舌の振動が巻き舌の音を出すため、どのようにすれば舌を震わせることができるのか感覚を掴みましょう。舌の震えをコントロールできるようになったら、巻き舌の習得も近いはずです。
2. ラ行の発音を繰り返す
ラ行の発音を繰り返す練習をして、舌を巻く動きに慣れましょう。ラ行の発音が入った言葉を繰り返し勢いをつけて発声することで、自然に巻き舌ができるようになります。なお、その際は、ラ行の発音をしているときに舌先が上顎に当たっている感覚を掴んでください。
巻き舌の仕組みでも説明した通り、上顎に当たっている舌が吐いた息によって振動することを体で理解できるとよいですね。
3. 同じ単語を繰り返す
巻き舌を習得するためには、同じ単語を繰り返すのがおすすめです。たとえば「札幌ラーメン」や「トロロそば」といった言葉が練習しやすいでしょう。
巻き舌の練習はスポーツの練習と似ており、何度も繰り返すことで体が覚えてコツを掴めるようになります。
4. 「ラタトゥラ発声法」をする
巻き舌を習得するうえで知っておきたいのが「ラタトゥラ発声法」です。ラタトゥラ発声法とは、舌先を上顎に当て、息を吹き出すことで音を出す方法のこと。「ラ、タ、トゥラ」の3つの音を繰り返し発声して練習します。
繰り返し練習することで、舌先の位置や息を吹き出す勢いなどをコントロールできるようになるでしょう。舌をこまかくコントロールできるようになり、歌唱の表現力が豊かになるはずです。
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巻き舌ができる人とできない人の差とは
人前で歌を歌っている人を見ると、「この人は巻き舌が上手い」と感じることがあるかもしれません。
ここでは、巻き舌ができる人とできない人の差について説明します。
巻き舌の準備ができていない
巻き舌が上手くできない人は、舌や口まわりのストレッチができておらず、舌に力が入ってしまっていることが多いとされています。そのため、舌をリラックスさせることが重要です。
舌のリラックス方法には以下の3つがあります。
- 舌根のストレッチ
- 舌全体のストレッチ
- リップロール
しっかりリラックスすることで、巻き舌ができるようになるでしょう。
舌根のストレッチ
巻き舌をするためには、舌根の筋力が必要になってきます。そして、舌根はしっかりストレッチすることも大切です。
舌根のストレッチ方法は以下の通りです。
- 舌を持って無理のない範囲まで前に引っ張る
- 15秒そのままの状態をキープする
上記のストレッチを3回程度繰り返すことで、舌根がリラックスしてなめらかに動くようになるでしょう。
舌全体のストレッチ
次は、舌全体のストレッチです。具体的なストレッチ方法は以下の通りです。
- 舌を30秒ほど上下に動かす
- 口を閉じて、時計まわりに上下の歯の外側にそって舌を大きく回す
- 反時計まわりに同じように上下の歯の外側にそって舌を大きく回す
上記のストレッチを5回程度繰り返すとよいでしょう。慣れてきたら徐々に回数を増やしてみてもよいですね。
リップロール
続いては、リップロールです。リップロールとは、歌手が歌う前におこなうことも多い、息を唇に当てて振動させるボイストレーニングのことです。
リップロールは以下の手順でおこないます。
- 唇を軽く閉じる
- 両頬の下を指で軽く押さえる
- 息を吐く
上記をおこなうと、口まわりがリラックスして巻き舌もやりやすくなるでしょう。簡単にできるので、ぜひ取り入れてみてください。
補足:遺伝や舌の長さはあまり関係ない
巻き舌が上手くできない方の中には「遺伝でほかの人より舌が短いせいではないか」と考える方もいるかもしれません。
何度も巻き舌の練習をしているのに上手くできない場合、舌の短さが気になってしまうのは自然なことです。たしかに、舌の短さと巻き舌のしにくさがまったく無関係とは言い切れません。
しかし、たとえ舌が短くてもしっかり練習を繰り返すことで、巻き舌を習得できる可能性が高まります。
「舌が短いせいで巻き舌を習得できない……」と諦めてしまわず、本記事で紹介している巻き舌のやり方をぜひ実践してみてください。
巻き舌ができない人の特徴と対処法
巻き舌ができない人の特徴と対処法について4つ紹介します。どうしても巻き舌ができない場合、これから説明する4つのポイントが当てはまってしまっているのかもしれません。
- 舌の筋肉が弱い
- 力みすぎている
- 口の形や舌の位置が違っている
- 腹式呼吸法がしっかりできていない
少しずつ修正することで、巻き舌の習得へとつなげられるため、ぜひ参考にしてください。
舌の筋肉が弱い
舌の筋肉が弱いと上手く巻き舌ができません。冒頭でもお伝えした通り、基本的に日本語には巻き舌がありません。そのため、日本人のなかには巻き舌に必要な舌の筋肉が弱い人もいます。
対処法としては、以下のような舌の筋肉トレーニングをおこなうとよいでしょう。
- 舌先に力を入れて上顎を押し上げる
- 口を開けて舌をなるべく前に突き出す
日本語を話している生活では、なかなか舌の筋肉が育たないかもしれません。そこで意識的に舌を動かし、筋力をアップさせましょう。
力みすぎている
上手く巻き舌をやりたいという気持ちが力みにつながってしまい、結果的に上手くできていない方もいます。
巻き舌のコツの1つはリラックスです。巻き舌の基本は舌を振動させることですので、舌が力みすぎずリラックスした状態でないといけません。
そのため、前述した「舌根のストレッチ」「舌全体のストレッチ」「リップロール」を実践して、舌と口まわりの筋肉をほぐすとよいでしょう。
口の形や舌の位置が違っている
巻き舌ができない人は、口の形や舌の位置が間違っているかもしれません。チェックしたいポイントは以下の2つです。
- 口の形:口を閉じている、または口を大きく開けすぎている
- 舌の位置:舌全体がのど元に下りすぎていて舌先が前歯裏側についていない、または舌先が前歯の裏側全体におおいかぶさっている
正しい口の形や舌の位置ができていれば、自然に巻き舌ができるようになるはずです。正しくできているか確認するために、口の形や舌の位置を少しずつ動かして微調整してみてもよいでしょう。「あっ、いま巻き舌ができた」とコツを掴めるかもしれません。
腹式呼吸がしっかりできていない
腹式呼吸がしっかりできていないと、お腹に力が入らず、巻き舌の発音がしにくくなってしまいます。巻き舌が上手くできないという方は、腹式呼吸も意識するとよいでしょう。
腹式呼吸のやり方は以下の通りです。
- 姿勢をよくして肩をリラックスさせる
- ゆっくり大きく息を吸ってお腹の下あたりを膨らませるイメージを持つ
- 息をゆっくり吐きながらお腹の下をへこませる
巻き舌の練習以外にも腹式呼吸のメリットはあります。歌う際に腹式呼吸を意識すると、大きな声が出しやすくなったり、のどを痛めにくくなったりします。また、息の量をコントロールできるようになるため、ロングトーンも安定するでしょう。
歌が上手くなりたい方は、腹式呼吸の習得もおすすめします。
巻き舌の4つのメリット
巻き舌ができるようになると、以下の4つのメリットを得られます。
- 舌をリラックスさせられる
- 表現力が豊かになる
- 滑舌がよくなる
- 外国語の曲を歌える
これらのメリットをしっかりと歌に活かしていきましょう。
1. 舌をリラックスさせられる
緊張する場面だと、体全体に力が入ってしまい、いつも通りに歌ったり話したりするのが難しくなるかもしれません。舌に力が入っていると、舌が口の後ろに引っ込んだり、舌の真ん中がくぼんでUの字になったりしていることも。
そういったときに巻き舌をすると、舌や口まわりの余分な力みがとれ、リラックスした状態を作れます。
2. 表現力が豊かになる
歌を歌う場合、巻き舌を使うことで表現力が豊かになるというメリットもあります。
表現力とは、自分の感情や思考を相手にわかりやすく伝えることです。表現力が高い人は、状況に合わせたり相手に寄り添ったりした歌い方ができます。
巻き舌を習得することで歌い方の種類を増やすことにつながり、相手に自分の想いを伝えやすくなるでしょう。
3. 滑舌がよくなる
巻き舌は、舌の筋力を育てるトレーニングの1つでもあります。そのため、巻き舌を繰り返すことで舌に筋肉がつき、滑舌がよくなることが期待できます。
歌を聴いているときに歌詞がしっかり聞きとれると、心情や情景を想像しやすくなるでしょう。歌を聴いて「歌詞に共感した」「すごくいい歌詞で好き」と言ってもらうためには、滑舌のよさが必要です。
4. 外国語の曲を歌える
英語をはじめとした外国語の曲を歌いたいという方もいるでしょう。その際、巻き舌を使った発音が必要になることもあります。
しっかり巻き舌を習得しておくことで、外国語の曲が上手に歌えるようになり、レパートリーが広がるでしょう。
巻き舌のやり方を習得して歌に活かそう
この記事では、巻き舌のやり方や仕組み、簡単にできる4つの練習方法などについて詳しく解説しました。歌の表現力を高めるためには、巻き舌の習得が欠かせません。毎日繰り返し練習することで習得できるはずですので、ぜひチャレンジしてみてください。
歌の表現力が高まり、自分の歌に自信が出てきたら、実力を試してみたくなる方もいるかもしれません。
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