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「ママの夢は?」息子の一言で気づいた、親でも大人でも“夢を持っていい”という事。

Music Planet(ミュージックプラネット)に参加したアーティストの、個性に迫る特集インタビュー。今回は、子育てをしながら等身大の活動を続けるアーティスト・結いこさんの背景に迫ります。

結いこ

1978年生まれ、福井県出身。ミュージックプラネットで本格的な音楽活動に初挑戦。リズム感を高めるためにパーカッションを始めるなど、家庭と両立しながら精力的に活動中。食×ライブのコラボレーション構想など、今後の展望にも注目したい。

間が経つ事を忘れるくらい没頭できるのが歌。フラットに素の自分になれる。

—音楽にまつわる、一番古い記憶は何ですか?
一番最初は、保育園の時にデパートの歌合戦で賞をもらったことですね。あとは地区のお祭りのカラオケ大会。気合い入れて衣装とか振り付けも考えて、幼馴染も無理やり引き連れて行った記憶があります(笑)。歌うこと自体が好きだったんでしょうね。でも記憶というとそれくらいかな…。中高生の時は、進学に向けて勉強や部活動ばかりで、音楽は聴くだけでしたね。

—学生時代から、音楽にのめり込んでいたわけではなかったんですね。
そうですね。私は「あの時、こうしてればよかった」みたいな後悔ってあまりすることがないんですけど、唯一音楽だけは心残りかもしれない。高校・大学っていう一番エネルギーのある時に、音楽をやっていたらどうなっていたんだろうって考えるんです。出身が田舎だったので、歌手になるなんて外国の話かっていうくらい、遠い世界に感じてました(笑)。学生時代に軽音楽部とかはありましたけど、ちょっとヤンチャな人達がやっているイメージもあって、勇気が出なくてただ羨ましく思うだけでしたね。あの頃はとにかく一生懸命バイトしてお金貯めて、海外旅行に行くことにエネルギーを注いでました。

—それも学生だからこその楽しみ方かもしれませんね。社会人になってからはいかがですか?
会社の先輩でバンドを組んでいる方がいて、たまたまボーカルが抜けたからということで誘っていただいたんです。でもメンバーの転勤などもあり、半年くらいで終わっちゃって。私自身もそこから猛烈に忙しくなって、仕事に熱中していました。それから、結婚・出産も経験したので、音楽からはどんどん遠ざかっていっちゃいましたね。

—なるほど。そしてここから、音楽をやろうと決心されるわけですよね。
息子が小1の時に、「ママの夢は何?」って聞いてきたんです。「家族が健康で元気で楽しく過ごす事だよ」だと答えたら、息子が「え?それ夢?今じゃん。」って(笑)。納得いかなかったのか、何度も聞くんですよね。子供からすると、親でも大人でも夢を持っていると考えているわけです。その時に、「自分は大人として生活していて、夢見る時代は終わっている」って、勝手に思い込んでいたんだなって気づかされました。

—とても素敵なエピソードですね!それで自分の夢と向き合った結果、音楽を選ぶことになったと。
そうですね。子育てが少し落ち着いてきた頃、ずっとやってみたかったリノベーションの仕事を自営業で始めたのですが、それで音楽活動と家庭を両立できる環境が整えられたことも大きいと思います。だから、やったことはないけどチャレンジしてみようと。幼い頃の憧れももちろんありますけど、歌っている時は自分がフラットになれる気がするんです。素になれるというか、時間が経つ事を忘れるくらい没頭できるのが歌でしたから。

参加を決意できたのは、スタッフの皆さんの信念が伝わったから。最初から最後まで、じっくり寄り添ってくれたことが嬉しかった。

—音楽にチャレンジしようと決めて、何から始めたんでしょうか?
一番最初にやったのはボイトレでした。もう6年目になりますね。ただ、コロナの影響で発表会がなくなって、ハリがないなと感じるようになって。このままでは「歌手」という夢の準備体操をずっとしたまま終わってしまうかも….という考えがよぎるようになりました。歌手として自分だけのオリジナル楽曲が欲しい、よし、やろうって思って、チャレンジしてみました。意を決して応募して、ディレクターさんとお話をして…。信念をもってこのプロジェクトをやってらっしゃるのが伝わったし、私自身も自分の時間やお金を投資する判断をできる年齢にはなっていたので、あとは自分がやりたいかどうかだけでしたね。

—実際にプロジェクトに参加して、いかがでしたか?
とにかく素敵な人ばかりですよね。私、皆さんのことが大好きなんですよ、本当に(笑)。心を通わせられる感じというか、以心伝心な感覚があって。自分がつまずいている時に、見計らったかのようにご連絡をくださったり、これは難しい注文かなということも、なるべくこちらの要望に沿う形を模索してくださったり…。正直、オリジナル楽曲作っておしまいみたいなイメージが勝手にあったんですけど(笑)、プロジェクトを通してじっくり寄り添っていただけたので驚きました。ここまでしてくれるんだ!という気持ちでしたね。

真剣に向き合い、細部にまでこだわったオリジナル楽曲。現時点のベストを形にできたという経験が、価値観さえも変えた。

—オリジナル楽曲『Simply』についてはいかがですか?
とにかくじっくり向き合いました。いざ完成したときの新鮮味がなくなるくらい(笑)。完璧主義な一面があるので、もっと上手に歌いたいとか、もっとしっくりくる歌詞が書けないかとかはあったんですけど、それも含めて「今の自分」を形にできたというか、現時点のベストを世に出せたというのは、本当に良かったなと思います。

—どんなテーマで制作されたのでしょうか?
『Simply』は、伝えたい!というよりも伝わるといいな…くらいのテーマなんですよね。前向きな曲ではあるけど、誰かの力になるような応援ソングではなくて、私が私自身に呟いているというか。今までの自分と、今の自分を回想して書いた歌詞なんです。友達ととりとめのない話をしている時とか、美味しいものを食べている時とかって幸せじゃないですか。そんな、自分らしく過ごせる日常ってありがたいよねとか、ある意味では独り言なんですけど、それを聴いてくださった方がふとした時に共感してくれたり、心地よさを感じてくれたら嬉しいですね。

—ミュージックプラネット参加前後で心境の変化はありましたか?
一番変わったのは、適当な自分とか脱力している自分を許せるようになったことですかね。視野が狭くなってつい力んじゃったりすることも少なくなったので、周りにも寛大になりましたし、いろいろな人を受け入れられるようにもなりました。

—価値観にもポジティブな変化があったのは素晴らしいことですね。
アーティスト活動の第一歩として、オリジナル楽曲をひとつカタチにできたことが、自信につながりましたね。MPに参加する前にはなかった発想が、どんどん生まれてくるんです。例えば、ライブを見に来てくれるお客さんともっと心が通う空間にできないかなとか、私は料理を作ることも食べることも好きなので、お料理とライブを一緒にやってみたらどうかなとか、ご当地グルメを食べ歩きながらライブをして周りたいなとか…(笑)。

—今後はどんな活動をしていきたいですか?
実はリズム感を養うためにパーカッションを習っているんです。音楽の中で、もっと自由になりたいと思っていて、そのためにはたくさん練習もして磨かないといけないと思うんです。活動を広げていく中で、コラボレーションできる仲間ができたらよりいいなと思いますね。

—最後に、あなたにとって音楽とはなんでしょう?
シンプルに「自分を表現しやすい手段」の一つかなと思います。自己表現の方法は人それぞれですけど、私にとっては歌がそれなので。音楽は身近な存在だけど、その距離感って気分やタイミングで変えていいものだし、気合いを入れすぎないで、気軽に自由に楽しんでいけるものだと思ってます。

仕事や家庭と両立しながら活動できるのがミュージックプラネット

結いこさんのように、仕事や家庭と両立しながら活動できるのがミュージックプラネットの特徴の1つです。今よりもっと音楽を楽しむために、「ミュージックプラネットで歌手活動」という新しい選択肢で、世界を広げてみませんか?一歩踏み出して、胸に秘めた音楽への想いを私たちに聞かせてください。皆さんからのご応募をお待ちしております!