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絶対音感の7つのメリット|音楽の道に進む条件とは

絶対音感があることで様々なメリットが存在します。 今回は7つに絞り、絶対音感のメリットを紹介していきます。さらに音楽の道に進むために必要な条件についても紹介していきますので、そちらもチェックしてみて下さい。

絶対音感のメリット①正確な音階を瞬時に理解できる

絶対音感の最大の特徴は聞こえた音の音階を正確に理解できることです。 音楽の世界では、どの音階なのか理解する能力はとても重要です。コーラスの時や楽器の演奏、作曲活動など、どのような音楽活動をしていくにしても、音階を理解する能力は必要不可欠の能力です。

絶対音感のメリット②曲を再現する能力が高い

正確に音階を理解できるということは、曲をお手本通りに再現することも可能ということです。耳コピが当たり前のように行えるので、数回曲を聞けば、大体こんな感じだったかな〜というノリでギターを弾けば、驚くほど正確に曲を再現することができます。

絶対音感のメリット③曲を素早く正確に記憶できる

絶対音感の持ち主は、曲を再現するだけでなく、素早く正確に記憶する能力も高いことが分かっています。 例えば、絶対音感の持ち主と、そうでない人が同じ曲を同じタイミングで聞いたとしても、素早く記憶に定着させ、スピーディーに正確に歌ったり演奏したりできるのは、絶対音感の持ち主です。 圧倒的に曲を覚えることに対する時間が省略できるので、演奏技術や歌い方に磨きをかけることに時間を使うことができます。

絶対音感のメリット④集中力が高まる

絶対音感の持ち主は、幼少期に何らかの音楽教育を受けています。 音楽教育を受けた子供は脳の神経回路が通常の子供と比べ発達し、物事に集中する能力が向上することが分かっています。 もし、絶対音感を持っている方が音楽の世界に進まないとしても、集中の高いという取り柄は、「専門職」「スポーツ」「アート」「IT関連」「会社経営」など、あらゆる分野に役立つ素晴らしい能力です。

絶対音感のメリット⑤言語の習得スピードが早い

世界中の言語には、それぞれ特有の音の高さがあり、聞き慣れていないと上手く聞き取れないし、発音できないということもあります。 絶対音感があることで、独特の言語のトーンを正確に認識することができるので、覚えるスピードも早まります。

絶対音感のメリット⑥楽器のチューニングが朝飯前

楽器のチューニング作業などは、絶対音感がある人からすれば、当たり前のように手ぶらで精密に行うことができます。 チューナーを使う必要がありませんので、気軽にギターの演奏などをその場で直ぐに行なえます。

絶対音感のメリット⑦音大受験に有利

音大受験では聴音といって、英語のリスニング問題のように、正確に音を認識できているのかを確かめるテストがあります。 絶対音感があれば、聴音に関しては何も対策していなかったとしても、確実に点数を稼げるので、それだけ音大に合格する確率が高まります。

実は必要ない?!絶対音感と音楽の関係とは

ここまで絶対音感のメリットを7つにまとめてお伝えしました。 「絶対音感が無いと音楽の世界に進むのはムリなのかな。。。」と思っていませんか? 確かに絶対音感があれば、有利であることには変わりありません。ただ、必ずしも絶対音感が無ければ音楽の分野で成功できないということでもありません。 新潟大学の宮崎謙一教授が行った絶対音感の割合に関する研究調査によると、以下の大学と生徒に対して、5オクターブの範囲内の半音階60音をランダムに3秒間隔で再生し、正確な音を記入してもらうというテストを実施しました。 ●対象大学と生徒数 ・新潟大学教育学部音楽専攻 143人(日本) ・京都市立芸術大学音楽学部 175人(日本) ・首都師範大学音楽学部 94人(中国) ・中央音楽学院 63人(中国) ・上海音楽大学 103人(ポーランド) ・ショパン音楽大学 127人(ポーランド) ・マルチン・ルター大学音楽学インスティチュート 61人(ドイツ) ・ミネソタ大学音楽学部 100人(アメリカ合衆国) テストで90%以上正解した割合は以下の通りです。 ・新潟大学教育学部音楽専攻(日本)35% ・京都市立芸術大学音楽学部(日本)60% ・首都師範大学音楽学部(中国) 6% ・中央音楽学院(中国)25.4% ・上海音楽大学(中国)27.7% ・ショパン音楽大学(ポーランド)11% ・マルチン・ルター大学音楽学インスティチュート(ドイツ)0% ・ミネソタ大学音楽学部(アメリカ合衆国)0% 参照元:https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-24500323/24500323seika.pdf この研究から、日本は幼少期から絶対音感を教育する環境が整いつつあるので、世界的に見ると比較的、絶対音感の割合が高いことが分かります。 ただ、最も高い割合でも京都市立芸術大学音楽学部の60%で、その他の大学では、新潟大学教育学部音楽専攻で35%、上海音楽大学で27.7%、ショパン音楽大学11%、ミネソタ大学音楽学部では0%であることも考えると、絶対音感が無いからといって、音楽の世界で活躍できないと結論付ける必要は無いと言えます。 もし、絶対音感が音楽家として必須の能力なのであれば、世界中の音大生は音楽家になれない理屈になってしまいます。 世界中で多くの有名なアーティストや作曲家が活躍していることを考えると、絶対音感が無かったとしても優秀な音楽家になることは十分に可能だと言えます。 多くの音楽家は相対音感の力を意図的に向上させ、正確な音を認識しています。 相対音感というのは、基準となる音と比較することで、聞こえてくる音を正確に認識する力のことです。 この能力は努力次第で伸ばすことができるので、絶対音感が無かったとしても、努力することでいくらでも道を切り拓くことが可能なのです。 また、音楽の道に進む時に大切なことは、正確な音階を理解することよりも、他の人の歌声や楽器に合わせる力であったり、感情豊かに表現する力です。 これは音楽が好きなのであれば、誰もが持っていますし、後から伸ばすことが可能です。

まとめ

絶対音感を持っているとことで、多くのメリットがあることは確かです。 音楽の分野に進むのであれば、この能力があると便利ですし、他の人よりも有利な立場にあることは否定できません。 ただ、絶対音感が無かったとしても落ち込むことはありません。 音大生の中にも絶対音感を持っていない人は多くいますし、それでも音楽の分野で活躍することに成功した方もいます。 絶対音感は後から伸ばすことがムリだとしても、相対音感であれば、個人の努力次第でどこまでも高めることができます。 音楽の道に進むのであれば、音階を正確に理解する力は確かに必要不可欠です。 ただ、絶対音感だけが音階を理解する方法ではありません。相対音感を高めることで、正確な音を理解する力を伸ばすことが十分可能なことです。 あなたに絶対音感があればラッキーですし、無かったとしても相対音感を高めていけば、音楽の道で活用することができます。