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ベルカントの唱法の意味と意外な誕生秘話とは!?ベルカント唱法の魅力を詳しく解説!

ベルカント唱法の意味や 歴史についてご存知ですか? 今回は、ベルカント唱法が 一体どういう意味なのか。 また、世界で初めて オペラが誕生してから どのような経緯を経て ベルカント唱法が誕生したのか。 ベルカント唱法が 誕生したきっかけを知ることで より深くオペラを知る事が出来ます。 オペラに興味があるのであれば ベルカント唱法の歴史は 必ず知っておいてほしい内容です。 この記事を参考にして よりオペラやベルカント唱法の 素晴らしさを感じて見て下さい。

1. ベルカントやベルカント唱法ってどんな意味

ベルカントというのは イタリア語の『Bel Canto』から来ていて 日本語に訳すと 『美しい歌』 という意味です。 ベルカント唱法というのは Bel Canto=美しい歌 という意味のとおり 非常に美しい歌い方という意味です。 「美しいってどういうこと?」 と思うかもしれませんが 具体的な発声法については 後半で詳しくお伝えします。 ベルカント唱法の歌い方を知れば 美しいと言われている理由に きっと納得して頂けると思います。

2. オペラの歴史とイタリア歌曲・ベルカント唱法の関係

世界で初めてオペラが誕生したのは 17世紀初めのイタリア・フィレンツェ だと言われています。 その後、17世紀初頭〜後半にかけて ローマやヴェネツィアへと オペラが広がっていきます。 オペラの演劇というのは 初めは貴族の宮廷でしか 行われていませんでした。 それが時代の流れとともに 徐々に活躍の場が広がり 現代のような劇場で 上演されるようになったのです。 18世紀に入ると オペラの演劇というのは 一種の歌手のテクニックを 披露する機会となりました。 歌手達は他のオペラ歌手よりも より広い音域で歌おうとしたり 難易度の高い歌を 歌おうと切磋琢磨していました。 そうしてレベルの高い 歌を歌う過程で、 どうすれば身体への負担を 最小限に抑えつつ 響き渡るような歌声を 観客に届ける事が出来るのか? と考えるようになります。 様々な発声方法を試した結果 遂に到達した歌い方が ベルカント唱法なのです。 現代のベルカント唱法があるのは オペラ歌手の先人達が 試行錯誤を繰り返し 行ってくれたおかげだと言えます。

3. ベルカント唱法の特徴

ベルカント唱法の 最大の特徴は、 『発声力』と『負担の少なさ』 です。 ベルカント唱法を使う場面は 大抵の場合はオペラ劇場なのですが 会場は数百人から数千人規模の とても大きな空間です。 通常の歌手であれば マイクを使い歌を歌いますが オペラ歌手はマイクを一切使いません。 「それでは歌声が聴こえにくいのでは?」 と思うかもしれませんが そんな事はありません。 オペラ歌手というのは まるでマイクを使って 歌っているかのような 迫力ある歌声を 身体1つで発声しているのです。 その発声に役立っているのが ベルカント唱法です。 オペラの歴史の中で どうすれば迫力ある歌声を マイク無しで観客に届けられるか? そういった疑問に対して 先人たちが試行錯誤して 完成した歌い方こそが ベルカント唱法です。 実際に生でオペラ歌手の歌声を聴くと あまりの迫力の大きさに 驚愕してしまいます。 また、ベルカント唱法は 他の発声法と比べて 身体への負担がとにかく少ないです。 ベルカント唱法を行うと 喉が適度に刺激され 歌えば歌うほど健康に良いとまで 言われているほどです。 迫力ある歌声を 出すだけであれば 力任せに歌えば 誰でも出すことが出来ます。 ベルカント唱法の 素晴らしい点は 『迫力ある歌声を いかに長時間歌い続けられるか?』 という視点で 考えられていることです。 『発声力』と『負担の少なさ』 この2つが揃っている 理想的な発声法が ベルカント唱法なのです。

4. ベルカント唱法とドイツ唱法の違い

ベルカント唱法と ドイツ唱法の違いは 息を吸った後の発声方法です。 ベルカント唱法というのは 腹式呼吸で息を吸った後、 お腹に溜まっている空気を 胸の方に移動させ 横隔膜を上げた状態で 発声を行います。 そのため、お腹はペタンとへこみ 胸はまるで風船のように膨らみます。 一方で、ドイツ唱法というのは 腹式呼吸で吸った空気を そのままキープした状態で 横隔膜を下げて 発声を行います。 ドイツ唱法の方が ベルカント唱法よりも 歌声の迫力が増しますが かなりの体力を 消耗する歌い方なので 長時間の発声には不向きです。 一方でベルカント唱法というのは なるべく長時間であっても オペラを歌い続けられるには どうすればいいのかを追求した 発生方法です。 ベルカント唱法というのは 喉だけを使って発声するのではなく 体全体を楽器として 演奏する事を目的としています。 そのため、 身体への負担が少なく 長時間であっても 歌い続ける事が出来るのです。 本来、迫力のある 歌声というのは 骨格の大きさや 筋肉の発達具合によって 大きく左右されます。 日本人はアメリカ人や ドイツ人と比べて骨格が小さく 筋肉量も少なめです。 当然ですが 発声時の迫力も 劣ってしまいます。 基本的に海外の発声法というのは その国の民族が歌いやすいように 工夫されたモノが大半です。 その結果、 違う民族が歌おうとしても 上手く歌えなかったり 身体に負担がかかってしまいます。 ベルカント唱法というのは 身体への負担を最小限に抑えつつ 身体全体を楽器として 発声するため 骨格や筋肉量に 左右されることなく 響き渡る歌声を 発声する事が可能です。

5. ベルカント唱法の意味を一言でまとめると…

ベルカント唱法の意味を 一言でまとめると、 『美しい歌声』 となります。 この一言の中には オペラ歌手の先人たちの 途方もない熱意が込められています。 横隔膜の使い方や 身体への負担の考慮など 先人たちが試行錯誤を繰り返し やっと導き出された発声法が ベルカント唱法です。 マイクも持たず身体1つで 数百人は入れるホール全体に 歌声を響き渡らせる。 そんな事は通常では 不可能だと感じてしまいます。 そんな不可能を可能にした 歌い方であるベルカント唱法は オペラの宝だと言えます。 今ではインターネットや テレビを通じてオペラを 聴く事が出来ます。 ただ、やはり生での歌声の方が 何十倍も魅力的に聴こえますし その迫力に圧巻するかと思います。 機会があれば是非とも 生の歌声を堪能して ベルカント唱法の素晴らしさを その身で感じて下さい。