歌手を目指している方にとって、ボイトレは重要といえます。うまく歌うためには適切な声を出す必要があり、そのためにはきちんと練習しなければなりません。
読者の中には、歌手を目指していて独学でボイトレをしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、独学でボイトレをする方法と具体的な練習内容をご紹介します。
いくつかのコツをおさえてボイトレをすれば、目標とする声が出せるようになり歌唱力のアップも期待できるでしょう。
ボイトレには大きく分けて2パターンがある
ボイトレをする方法には、大きく分けて「独学する」「ボーカル教室に通う」という2パターンがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選択することが大切です。
独学でボイトレするかボーカル教室に通うか迷っている方は、まずはそれぞれのメリットやデメリットを比較してみましょう。
独学する
独学でボイトレする場合は、自分だけで練習して習得することになるため受講料などがかからずコストが抑えられることがメリットです。
その一方で、教えてくれる人がいないので上級テクニックや細かいポイントを学ぶことが難しくなります。自分だけでは欠点に気づけず、直すことができないかもしれません。独学はコストを抑えられる反面、上達に時間がかかることがデメリットといえます。
ボーカル教室に通う
ボーカル教室に通えばプロに発声方法や歌い方のコツを教えてもらえるため、独学するよりも短期間で上達できる可能性が高まります。一方で、受講料を支払わなければならないためコストがかかる点がデメリットです。
ボーカル教室は、コストをかけてでも早く上達したいと考えている方や、歌い方をプロに教わりたいと考えている方におすすめといえます。
ボイトレを独学で行うメリット
ここでは、独学でボイトレをするメリットについて詳しくご紹介します。独学とボーカル教室を比較した場合、コスト面以外にも独学にはいくつかのメリットがあるため事前にチェックしておきましょう。これから紹介する3つのメリットに魅力を感じる方は、独学を選択してみてはいかがでしょうか。
コストを抑えられる
独学でボイトレをする場合、ボーカル教室の受講料や教室へ通う交通費がかかりません。練習にカラオケを利用する場合は多少のコストがかかりますが、ボーカル教室の受講料などと比較すると低額になるでしょう。
練習方法を理解していれば、独学でもある程度は上達します。コストを抑えつつ、自分のペースでボイトレをしたい方にはおすすめの方法です。
好きな練習をできる
独学でボイトレをすればボーカル教室のカリキュラムに縛られないため、練習内容を自由に選べます。ボイトレで特に強化したいポイントがある方には、魅力的な方法といえるでしょう。
特定のトレーニングを集中的に行いたい場合や、好きな練習を行いたい場合には独学がおすすめです。ボイトレで改善したいポイントと改善するための方法が分かっている場合は、重点的に特訓することもできます。
好きなタイミングで練習できる
独学の場合は、空いた時間を有効活用できます。多くの場合、ボーカル教室ではレッスン時間が決まっているため、好きなタイミングで練習したい場合には独学のほうがよいでしょう。
独学は、空き時間で練習したい場合や、毎日練習時間を変えたい場合などに向いています。時間が取れる時には集中してボイトレをすることも可能です。
また、教室では時間が限られているため、その日予定していたカリキュラムをこなすために駆け足になる可能性もあります。時間が来て途中で次に持ち越しということもあるでしょう。自分のタイミングでトレーニングができれば、自分の設定した課題にじっくり取り組めることもメリットです。
独学でボイトレをする時の練習方法【自宅編】
独学でボイトレをする時には、トレーニング方法をきちんとおさえておくことが大切です。ここでは、効果的にボイトレをする方法を6種類ご紹介します。
いずれも歌をうまく歌うために欠かせないスキルになるため、練習に取り入れてみましょう。具体的なトレーニングの仕方も解説します。
腹式呼吸のトレーニング
呼吸方法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2パターンがありますが、歌う際に適している呼吸は「腹式呼吸」です。腹式呼吸をすれば声を出しやすくなるため、マスターしておきましょう。
1.事前に全身のストレッチをする
2.手を腹部に当てる
3.息を吐く
4.ゆっくり4つ数えて鼻から息を吸う
5.ゆっくり4つ数えて口から息を吐く
手順4で息を吸った時に、腹部が膨らんでいるかどうかを確認します。膨らんでいれば問題ありませんが、膨らんでいなければ胸式呼吸になっている可能性があります。
腹式呼吸に慣れたら、息を吸うためにかける時間を短くします。歌う時には短時間で息を吸い、長い時間吐くようにしましょう。
ロングブレスのトレーニング
ロングブレスとは、腹式呼吸をしながらより安定的に声を出すために行う呼吸法です。歌唱では重要なポイントのひとつになるため、練習しておきましょう。
1.鼻から息を吸う
2.息を45秒以上吐き続ける
3.吐き続ける時に歯の間から漏れる音が一定になるようにする
ロングブレスのトレーニング時には、息を全て吐くように意識しましょう。歌う時にはきちんと息を吸い、必要な時に吐くことが重要です。最初から45秒以上は難しいかもしれません。毎日続け、徐々に時間を延ばせるようにしましょう。
ドッグブレスのトレーニング
ドッグブレスも腹式呼吸の一種で、声を安定させるために役立ちます。呼吸が不安定で声が安定しない場合などに用いるとよいでしょう。
1.小刻みに息を口から複数回吐く
2.鼻から大きく息を吸う
3.再び小刻みに口から息を吐く
息を吐く時は小刻みに複数回行い、全て吐ききるようにします。上記の3つの手順を繰り返すことで、呼吸が安定するようになります。
ドッグブレスを覚えたら、息を吐く時に声を出してみましょう。息を吐く時に声を出す練習は、動作の特性上小声でも問題ありません。
ペットボトルのトレーニング
歌う際には腹式呼吸で必要な量の空気を吸い、それを吐き出すことが大切です。このような呼吸の練習には、ペットボトルを使用したトレーニングが最適です。手元に2リットルのペットボトルを用意して、次の手順でトレーニングを行いましょう。
1.息を吐ききり、ペットボトルの口をくわえる
2.一気にペットボトル内の空気を吸って、ペットボトルをへこませる
3.ペットボトル内に息を吐いて、ペットボトルを膨らませる
手順2で正しく腹式呼吸ができているとペットボトルがへこみます。息を吸う時には、中の空気が漏れ出さないようにきちんとくわえましょう。手順3では吸った空気を吐き、ペットボトルを元の大きさまで膨らませます。
この手順を繰り返すことで、腹式呼吸できちんと息を吸って吐くことができるようになるでしょう。
リップロールのトレーニング
リップロールは息を吐くことで唇を振動させることをいい、発声の基本を覚える際に役立ちます。音程の取り方を覚えたい場合にもおすすめのトレーニングです。リップロールのトレーニング方法は、次のとおりです。
1.唇を軽く閉じる
2.息を吐いて唇を振動させる
最初はなかなか唇が振動しないかもしれません。頬が膨らむとうまくできないことが多いため、慣れるまでは頬を押さえて息を吐くようにしてみましょう。
リップロールができるようになったら、リップロールをしながら発声します。低い声から高い声まで満遍なく出せるように練習しましょう。
タングトリルのトレーニング
歌う際には、舌の動きも重要です。舌をコントロールすることは、筋肉をリラックスさせて発声しやすくする効果も期待できます。声のブレを減らすこともできるため、次の手順でトレーニングを行いましょう。
1.口を少しだけ開ける
2.舌を上顎付近につける(巻き舌のイメージ)
3.息を吐いて舌を震わせる
手順3で息を吐いた時に舌が振動すれば、タングトリルは成功です。「ラ」の音を発音する時のイメージで息を吐くとよいでしょう。タングトリルは安定した息の吐き方を学べるため、発声時の声のブレを抑えることができます。
独学でボイトレをする時の練習方法【カラオケ編】
ボイトレには大きな声を出すトレーニングもあり、そのようなトレーニングを自宅で行うことは難しいかもしれません。その場合、カラオケを利用することもひとつの方法です。
ここでは、カラオケを利用して行えるトレーニングをいくつかご紹介します。うまく歌うために役立つトレーニングになるため、取り入れてみましょう。
採点機能でのトレーニング
カラオケには採点機能がついている場合も多く、音程やリズムなどさまざまな視点からの評価を確認できます。採点では、音程を重視する傾向にあるようです。高得点を狙うなら、正確な音程で正しい発声方法を意識しながら歌う必要があるでしょう。
採点機能を利用すると改善点が分かるため、正確に歌う技術の習得に役立ちます。採点と同時に発声方法のアドバイスを表示してくれる場合もあり、併せて利用すると上達しやすくなります。
ビブラートのトレーニング
ビブラートは該当する音の音高を保ちながら、音程をわずかに上下に揺らして震わせる技術です。歌の最後に余韻を持たせるために使われ、表現力を高めることもできます。
カラオケにはボイトレ機能がついているものもあり、中にはビブラートの練習ができるタイプもあります。これを利用すればビブラートのトレーニングもできるため、活用してみてはいかがでしょうか。
ビブラートをするには、音の揺れ幅や速さを一定にするために同じ量の息を吐きながら発声しなければなりません。音程を調整する時は、息の量を調節しながら発声します。習得には時間がかかるかもしれませんが、自在にコントロールできるようになれば歌唱力を高められます。
ファルセットのトレーニング
ファルセットは裏声のひとつで、息漏れを多くさせた弱い裏声のことをいいます。喉に力を入れないことが、きれいに発声するためのコツです。カラオケでトレーニングする場合は、ファルセットがよく使われている曲を歌って練習することがおすすめです。
ファルセットを出すためには多量の息を吐かなければならないため、うまくファルセットが出せない場合は呼吸を意識します。リラックスして発声することも意識しながら練習してみましょう。
ミックスボイスのトレーニング
ミックスボイスは高い音を出すときに使うテクニックのひとつです。地声であるチェストボイスと裏声のファルセットの中間の声を指します。声に強さを保ちながら高音域を出すことで、さまざまな歌を歌いこなすためには重要なスキルです。
カラオケにはミックスボイスを多用している楽曲も多く収録されているため、そのような曲を選び練習してみましょう。
ファルセットボイスの練習時と同様にリラックスして発声することを意識します。喉に力を入れず、安定して息を吐き出すことがポイントです。
独学でボイトレをする時のコツ
ボイトレを独学で行う時にはいくつかのコツをおさえておきましょう。ここでは、特にチェックしておきたい4つのコツをご紹介します。
コツをおさえて練習すれば効率的にボイトレができ、歌唱力アップが期待できます。どのように練習すればよいのか分からない方は、参考にしてみてください。
目標の声を決めておく
目標が明確であればボイトレのモチベーションを維持できます。最初に習得したい声や理想の声をイメージしてみましょう。
習得したい声がはっきりしていればそれに向けてトレーニングができ、上達度合いも分かりやすくなります。ボイトレを始める時は、最初に目標とする声を決めておくことがおすすめです。
自分の声を知る
自分の声を知ることも上達するためには欠かせません。自分の歌声を録音して聞き、音域や苦手な音を確認することが大切です。苦手な音が分かれば、重点的に練習することで上達しやすくなります。
自分の声を知らない状態でボイトレをしても、どこを練習すればよいのか分からないものです。自分の声を定期的に録音して、練習成果を確認することもボイトレに役立ちます。
呼吸法を意識する
上手に歌うためには、呼吸法を意識することが大切です。出したい声に合った呼吸法を習得すると、きれいな歌声を出せるようになります。
ロングブレスやドッグブレスなど、呼吸法にはさまざまなものがあります。歌うときにはいくつかの呼吸法を使い分ける必要があるため、一通りマスターしておくことをおすすめします。
発声方法を練習する
発声方法には大きく分けて「頭声発声」と「胸声発声」の2つがあります。頭声発声はヘッドボイスとも呼ばれ、高音を出す際に役立つ発声方法です。
胸声発声はチェストボイスのことで、低音部分を歌う際に使われます。歌う時には両方の発声方法を用いるため、両方とも習得できるようにトレーニングしましょう。
ボイトレの成果をオーディションで披露しよう!
読者の中には、歌手としてデビューするためにオーディションを受けたいと考えている方もいるのではないでしょうか。ボイトレの成果をオーディションで発揮できれば歌手への道が開けるかもしれません。
MUSIC PLANETなら、オーディションに合格した後にはプロデューサーとの面談やオリジナル楽曲制作などの特典が受けられ、自分らしさを引き出しつつさらなるステップアップも可能です。独学のみでトレーニングをしていると発声や歌い方などに癖がつくこともあるため、オーディションを受けて評価を確認することもおすすめです。
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まとめ
ボイトレをする方法には、独学とボーカル教室に通うことの2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、独学でもスキルの習得は可能でしょう。
歌手を目指している方にとって、ボイトレをすることも重要ですがオーディションで成果を発揮することはより重要といえます。
MUSIC PLANETではボーカルオーディションを開催しており、手軽にエントリーできます。合格後はオリジナル楽曲制作やライブ支援などアーティストとしての手厚いサポートを受けられることも魅力です。
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